先生と準備室
「怖い……先生…ごめんなさい…付けて…
ほんと…に…む…り…」

「え!?ちょっと待て…泣いてる?」

先生が抱きしめている腕の片方を私の

頰に添え、涙で濡れていることがわかった

みたい。

ピカッと電気がついた。目の前は

先生のスーツ。先生に顔を見られないように

先生の胸に埋めているから。

「うぅ…も…う…せんせいなんて…
知らないよ…怖い…のに…」

「藤井、顔上げて。」

「やだ」
< 132 / 417 >

この作品をシェア

pagetop