先生と準備室
先生の視線も気づいてたし声も聞こえてた。

だけど、振り向かなかった。

ううん…"振り向けなかった"

何もできない自分が惨めで悔しくて。

優菜と話しながら更衣室に戻ろうと

歩いている時も

「先生?誰を見てるの?」
「先生!真美のタオル使ってくれて
ありがとう!」
「ん?あ、いや…うん」

そんな会話が聞こえてきた。

「佳奈…」

「ん?大丈夫だよ…先生は人気者だから…!
うん。人気者だもん、私の物でもないし…」

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