先生と準備室
「話ってなんですか?」

「藤井に何か言いましたか?」

俺がそう言った瞬間、中川先生が

不気味に笑った気がした。

「なんですか?振られましたか?」

「振られたと言うか、俺のために離れた。
って感じですかね。」

「藤井に何言ったんですか。」

「俺はただ当たり前のことを言っただけで
すけど」

当たり前のことってなんだよ、と

俺は思った。当たり前ってその人の中にある

持論だろって。

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