先生と準備室
「1時間半…」

「これからもっと険しくなる。
寝れるか?寝ないとキツイと思う。」

ブランケットを精一杯握りしめて

痛みに耐えながら先生の話を聞く

「佳奈…キツイよな…
手、握って良いか…?」

先生がブランケットを掛けなおすように

私に近づき耳元で囁かれた。

久しぶりにその、大好きな声から佳奈って

聞いた。

ダメなのに…ダメってわかっているのに…

ゆっくりとブランケットを握る手を先生に

差し出してしまう。

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