先生と準備室
その言葉が私の口から出ることは無かった。

なぜなら、先生に手で口を塞がれたから。

「え…」

もう、私のこと嫌いになった?

佳奈って…名前で呼んでくれたのに…?

「佳奈。」

先生…凌久に頰を両手で挟まれ

下を向いていた顔を上げられる。

凌久の真剣な目が合い少し恥ずかしくて

視線を逸らす。

「こっちみてよ。俺の目見て?」

「な…に…」

「ごめんな、」

あぁ…やっぱりもう私の想いは届かないんだ

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