インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
目を閉じるとそのうち体が浮くような感覚がやって来て、真っ暗な闇の中で意識がだんだん遠くなり、いつしか私は眠りに落ちていた。
翌朝はいつも6時半にセットしているアラームの音を聞くことなく、5時過ぎに目が覚めた。
夕べ早めに寝たのが良かったのか、体のだるさも感じない。
どうやら熱はすっかり下がったようだ。
早速シャワーを浴びて会社に行く用意をしよう。
意気揚々と起き上がろうとしたとき、何かに手をつかまれていることに気がついた。
あれ……?この感じはもしかして……。
視界の隅にチラッとうつる物体の正体を確かめようとおそるおそる視線を動かすと、私の手を握りベッドに突っ伏して眠っている尚史の姿がそこにあった。
私は声にならない叫びをあげてがっくりとうなだれる。
もしかして一晩中こうしていた?!
手を握られていることに、目が覚めてすぐに気付かなかったことが自分でも信じられない。
私、そんなに寝ぼけていたっけ?
それともそれだけ私は尚史に手を握られることに慣れてしまったということなのか?
思うところはいろいろあるけれど、今はそんなことよりコレをどうにかしなければ!
「尚史、起きてよ」
「うーん……あと10分……」
「待てないから!今すぐ起きて!」
翌朝はいつも6時半にセットしているアラームの音を聞くことなく、5時過ぎに目が覚めた。
夕べ早めに寝たのが良かったのか、体のだるさも感じない。
どうやら熱はすっかり下がったようだ。
早速シャワーを浴びて会社に行く用意をしよう。
意気揚々と起き上がろうとしたとき、何かに手をつかまれていることに気がついた。
あれ……?この感じはもしかして……。
視界の隅にチラッとうつる物体の正体を確かめようとおそるおそる視線を動かすと、私の手を握りベッドに突っ伏して眠っている尚史の姿がそこにあった。
私は声にならない叫びをあげてがっくりとうなだれる。
もしかして一晩中こうしていた?!
手を握られていることに、目が覚めてすぐに気付かなかったことが自分でも信じられない。
私、そんなに寝ぼけていたっけ?
それともそれだけ私は尚史に手を握られることに慣れてしまったということなのか?
思うところはいろいろあるけれど、今はそんなことよりコレをどうにかしなければ!
「尚史、起きてよ」
「うーん……あと10分……」
「待てないから!今すぐ起きて!」