インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「いいなぁって……谷口さん、八坂さんとお近づきになりたいの?」
「いえ、私は八坂さんじゃなくて中森さん推しです!カッコいいですよねぇ、中森さん。私の好みそのものなんです!」
「へぇ……そうなんだー……」
まさかここで尚史の名前が出て来るとは思わなかった。
まぁ、顔とか見た目が良いのは確かだけど、合コンのときはろくに会話もせず、ひたすら食べていただけなのに。
それはイケメンは何をしていてもカッコいい、イケメンは正義ってこと?
「今朝偶然会社のそばで会えたんで、思いきって声かけちゃいました!」
「すごい……谷口さんって積極的なんだね。で、どうだった?」
「おはようございますって挨拶したら、チラッと私を見て会釈してくれました!」
ずいぶん無愛想な反応だけど、尚史は基本的には人見知りな性格だ。
おまけに目が悪いのにメガネをイヤがって作ろうともしないので、おそらく近くにいないと人の顔なんかろくに見えていない。
よく知らない人を声で判別できるほど他人に関心はないし、きっと尚史は谷口さんのことを覚えていないから、「この人誰だろう?」と思いながら会釈をしたんだと思う。
尚史らしいと言えば尚史らしい。
「いえ、私は八坂さんじゃなくて中森さん推しです!カッコいいですよねぇ、中森さん。私の好みそのものなんです!」
「へぇ……そうなんだー……」
まさかここで尚史の名前が出て来るとは思わなかった。
まぁ、顔とか見た目が良いのは確かだけど、合コンのときはろくに会話もせず、ひたすら食べていただけなのに。
それはイケメンは何をしていてもカッコいい、イケメンは正義ってこと?
「今朝偶然会社のそばで会えたんで、思いきって声かけちゃいました!」
「すごい……谷口さんって積極的なんだね。で、どうだった?」
「おはようございますって挨拶したら、チラッと私を見て会釈してくれました!」
ずいぶん無愛想な反応だけど、尚史は基本的には人見知りな性格だ。
おまけに目が悪いのにメガネをイヤがって作ろうともしないので、おそらく近くにいないと人の顔なんかろくに見えていない。
よく知らない人を声で判別できるほど他人に関心はないし、きっと尚史は谷口さんのことを覚えていないから、「この人誰だろう?」と思いながら会釈をしたんだと思う。
尚史らしいと言えば尚史らしい。