インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「ヤバイよね……。この間は昼休みだけだったし、みんながそばにいてくれたから少しはマシだったんだけど……今日は食事してお酒でも飲みながらゆっくり話そうって言われてるから、そんなに長い時間一緒にいたら間が持てないんじゃないのかなって」

「それは確かに、モモにはかなりきついかも」

「だけど今日は私たちもついていってあげられないしねぇ……」

みっちゃんと佐和ちゃんが私の心配事を口にする中で、アキちゃんだけはさっきから私の方を見ながら、何か言いたげな顔をしている。

アキちゃんは私と同じ部署なので、仕事のことで何か相談したいことでもあるのかなと思ったけど、今の私は自分のことでいっぱいいっぱいで、後輩の相談に乗ってあげられるほどの余裕がない。

気になりはするものの、アキちゃんにどうかしたのかと聞くことはできなかった。

痛む胃を押さえながらも、なんとか半分ほどランチを食べて食事を終え、食後の飲み物はコーヒーではなくミルクティーを選んだ。

紅茶にミルクと砂糖を入れてかき混ぜていると、アキちゃんが「あのー……」と言いにくそうに口を開いた。

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