インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「……だったらもういいや。モモがそう決めたんならとことんやればいいじゃん」
「何それ……」
「モモは一度決めたら誰が何言っても聞かないもんな。俺が止めたって無駄だろ」
尚史は大きなため息をつき、呆れた様子でそう言った。
八坂さんとの仲がうまくいくように協力してくれていたはずなのに、その尚史がどうして止めようとするのか。
尚史の考えていることや言おうとしていたことが、私にはさっぱりわからない。
「モモ、最後の仕上げだ」
「ん……?仕上げって?」
尚史は私の頬を両手でそっと包み、少し上を向かせた。
「いいから黙って目ぇ閉じろ」
「うん……」
言われるままに目を閉じて、私の頬に尚史の頬が触れるのを待っていると、ゆっくりと尚史の顔が近付いてくる気配がしたあと、あたたかくて柔らかいものが唇にそっと触れた。
…………え?
驚いて目を開くと、私の唇に触れているのは尚史の唇だった。
ええっ、なんだこれ?!
仮想カップルの最後の仕上げでホントにキスするなんて聞いてないよ!!
あわてて離れようとすると、尚史は私の頬に添えていた手で私の頭と体を強く引き寄せ、軽く触れていただけの唇をさらにしっかりと重ねる。
「何それ……」
「モモは一度決めたら誰が何言っても聞かないもんな。俺が止めたって無駄だろ」
尚史は大きなため息をつき、呆れた様子でそう言った。
八坂さんとの仲がうまくいくように協力してくれていたはずなのに、その尚史がどうして止めようとするのか。
尚史の考えていることや言おうとしていたことが、私にはさっぱりわからない。
「モモ、最後の仕上げだ」
「ん……?仕上げって?」
尚史は私の頬を両手でそっと包み、少し上を向かせた。
「いいから黙って目ぇ閉じろ」
「うん……」
言われるままに目を閉じて、私の頬に尚史の頬が触れるのを待っていると、ゆっくりと尚史の顔が近付いてくる気配がしたあと、あたたかくて柔らかいものが唇にそっと触れた。
…………え?
驚いて目を開くと、私の唇に触れているのは尚史の唇だった。
ええっ、なんだこれ?!
仮想カップルの最後の仕上げでホントにキスするなんて聞いてないよ!!
あわてて離れようとすると、尚史は私の頬に添えていた手で私の頭と体を強く引き寄せ、軽く触れていただけの唇をさらにしっかりと重ねる。