インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
まだお付き合いをすると返事をしたわけでもないのに、本当に八坂さんの部屋に行っても良いものだろうか。
でも単純になかなか手に入らないワインを振る舞ってくれるだけのつもりでそう言っているのかも知れないのに、深読みしてお断りするのも申し訳ない。
「モモ、難しい顔してどうしたの?めんどくさい業務連絡でも届いた?」
隣でコーヒーを飲んでいたみっちゃんが、私の手元をヒョイと覗き込んだ。
「そうじゃなくて……八坂さんから今夜食事に誘われてるんだけど……食事のあとでうちにワイン飲みに来ないかって」
「家飲みかー。今夜はお泊まりコースかな」
「そんなつもりではないと思うんだけど……」
「付き合ってたら普通のことだけどね。モモがまだ早いと思うなら無理しないで断ればいいと思うよ。食事するだけでも死ぬほど緊張するんでしょ?」
「うーん……そうなんだよねぇ……」
どうしようかと考えていると、尚史の『あまり男を信用しすぎるな』という言葉が脳裏をかすめた。
それと同時に尚史に突然キスされたことを思い出し、早く八坂さんと結婚して幸せぶりを見せつけてやりたいという反抗心がムクムクと湧き上がる。
でも単純になかなか手に入らないワインを振る舞ってくれるだけのつもりでそう言っているのかも知れないのに、深読みしてお断りするのも申し訳ない。
「モモ、難しい顔してどうしたの?めんどくさい業務連絡でも届いた?」
隣でコーヒーを飲んでいたみっちゃんが、私の手元をヒョイと覗き込んだ。
「そうじゃなくて……八坂さんから今夜食事に誘われてるんだけど……食事のあとでうちにワイン飲みに来ないかって」
「家飲みかー。今夜はお泊まりコースかな」
「そんなつもりではないと思うんだけど……」
「付き合ってたら普通のことだけどね。モモがまだ早いと思うなら無理しないで断ればいいと思うよ。食事するだけでも死ぬほど緊張するんでしょ?」
「うーん……そうなんだよねぇ……」
どうしようかと考えていると、尚史の『あまり男を信用しすぎるな』という言葉が脳裏をかすめた。
それと同時に尚史に突然キスされたことを思い出し、早く八坂さんと結婚して幸せぶりを見せつけてやりたいという反抗心がムクムクと湧き上がる。