インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
どうせ八坂さんとはお付き合いをするつもりだし、もう大人なんだから何かがあっても問題はない。

それで八坂さんとうまくいって、結婚までの道のりがショートカットされたら万々歳だ。

「……よし、決めた。思いきって行くことにする」

「ホントに大丈夫?緊張し過ぎてショック死とかしない?」

「しないように頑張るけど、もしものときは骨を拾ってやって」

みっちゃんはかなり心配しているようだけど、私は大きくうなずいてスマホの画面に指を滑らせる。

まもなく休憩時間が終わりそうだったので、【わかりました。楽しみにしています】と短いメッセージを返して仕事に戻った。


その日の仕事を終えて、八坂さんに返事をするシーンを何度もシミュレーションしながら帰り支度をした。

まだ時間があるし、待っている間にコーヒーでも飲んで落ち着こうと、オフィスを出て『アンバー』に足を運び、窓際の席に座ってケーキセットを注文した。

緊張してまたろくに食べられないかも知れないし、甘いものを食べたら少しでも落ち着きそうな気がする。

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