インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
黒歴史は『武勇伝』
午後8時半過ぎ、淡い期待を胸に一次会はお開きとなった。
みんなは店を出ると『二次会はやっぱカラオケだよね』と言って歩き始めた。
まだ月曜日なのに、みんな元気だな。
谷口さんは一緒に行こうと何度も誘ってくれたけれど、私は慣れない場の雰囲気にかなり疲れていたし、尚史と一緒に帰る約束をしたので「少し飲みすぎたようだから今日はこれで帰る」と言って二次会のお誘いを断った。
二次会不参加組の私と尚史は店の前でみんなと別れ、駅に向かって一緒に歩いた。
隣に座っていた可愛い女子には目もくれず、料理とお酒を黙々と堪能していた尚史は相変わらずの無表情でお腹をさする。
「よく食べてたね」
「いやー……あれくらいじゃ食い足りないなぁ……」
「あれだけ食べてまだ足りないの?」
「足りないものは足りないんだよ。モモはあんまり食ってなかったから腹減ってるだろ?」
この男は目の前の料理に夢中で私にも無関心だったと思ったのに、私が料理にはほとんど手をつけていなかったことに気付いているらしい。
付き合いが長いとそんなことにまで気付くのか。
「バレた?実はお腹ペコペコなんだ、会話するのに必死で食べる余裕がなかったからね。今夜はカレーだってお母さんが言ってたから、帰って食べるよ。尚史も一緒に食べる?」
「もちろんいただく」
みんなは店を出ると『二次会はやっぱカラオケだよね』と言って歩き始めた。
まだ月曜日なのに、みんな元気だな。
谷口さんは一緒に行こうと何度も誘ってくれたけれど、私は慣れない場の雰囲気にかなり疲れていたし、尚史と一緒に帰る約束をしたので「少し飲みすぎたようだから今日はこれで帰る」と言って二次会のお誘いを断った。
二次会不参加組の私と尚史は店の前でみんなと別れ、駅に向かって一緒に歩いた。
隣に座っていた可愛い女子には目もくれず、料理とお酒を黙々と堪能していた尚史は相変わらずの無表情でお腹をさする。
「よく食べてたね」
「いやー……あれくらいじゃ食い足りないなぁ……」
「あれだけ食べてまだ足りないの?」
「足りないものは足りないんだよ。モモはあんまり食ってなかったから腹減ってるだろ?」
この男は目の前の料理に夢中で私にも無関心だったと思ったのに、私が料理にはほとんど手をつけていなかったことに気付いているらしい。
付き合いが長いとそんなことにまで気付くのか。
「バレた?実はお腹ペコペコなんだ、会話するのに必死で食べる余裕がなかったからね。今夜はカレーだってお母さんが言ってたから、帰って食べるよ。尚史も一緒に食べる?」
「もちろんいただく」