インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「なんだ、モモは俺と一緒に寝たいのか?俺は一緒でも普通に寝られるし、全然かまわないけど?」
一緒に寝たいのかと聞かれた瞬間、抱き枕のように尚史に抱きしめられたことを思い出して一気に血が昇り、顔がカーッと熱くなった。
「……ごめん、それはちょっと……。別にしてください」
「だろ?結婚するって言っても形だけなんだからさ、無理して夫婦らしくしようとしなくても良くね?」
『結婚したんだから当然だろう』と言って急に迫られたりすることはないとわかって少しホッとしたけれど、『形だけ』とハッキリ言われると、『そこに愛なんかない』と念を押されたようで、なんとなく虚しい気がした。
「そっか……。うん、そうだね……」
「名字とか帰る家が一緒になるだけで、あとはこれまで通りだと思えばいいじゃん」
「わかった、そうする」
結婚しても尚史との関係はこれまでと何も変わらないのなら安心して一緒にいられるし、光子おばあちゃんに花嫁姿を見せてあげるという目的が果たせて、私と尚史の結婚式に出たいという光子おばあちゃんの長年の夢も叶えてあげられるんだから、これ以上良い話はない。
そう思うのに、胸がモヤッとしてしまうのはなぜだろう。
おまけに昼間からずっと感じていた胃の痛みがだんだん強くなってきた。
一緒に寝たいのかと聞かれた瞬間、抱き枕のように尚史に抱きしめられたことを思い出して一気に血が昇り、顔がカーッと熱くなった。
「……ごめん、それはちょっと……。別にしてください」
「だろ?結婚するって言っても形だけなんだからさ、無理して夫婦らしくしようとしなくても良くね?」
『結婚したんだから当然だろう』と言って急に迫られたりすることはないとわかって少しホッとしたけれど、『形だけ』とハッキリ言われると、『そこに愛なんかない』と念を押されたようで、なんとなく虚しい気がした。
「そっか……。うん、そうだね……」
「名字とか帰る家が一緒になるだけで、あとはこれまで通りだと思えばいいじゃん」
「わかった、そうする」
結婚しても尚史との関係はこれまでと何も変わらないのなら安心して一緒にいられるし、光子おばあちゃんに花嫁姿を見せてあげるという目的が果たせて、私と尚史の結婚式に出たいという光子おばあちゃんの長年の夢も叶えてあげられるんだから、これ以上良い話はない。
そう思うのに、胸がモヤッとしてしまうのはなぜだろう。
おまけに昼間からずっと感じていた胃の痛みがだんだん強くなってきた。