インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「ホントだ。隣のイケメン誰だろ?」

「彼氏かな?」

昼休みにわざわざ社外の人と会っていれば、やっぱりそう思うだろう。

尚史も谷口さんも何も言わないけれど、どう考えたって私には二人が付き合っているとしか思えない。

「あれね、この前話した幼馴染みの尚史」

「えっ、あれが?」

「本人からハッキリ聞いたわけじゃないけど、最近よく一緒にいるの見かけるから、付き合ってるのかも知れない」

私がそう言うと、3人は驚いた様子で黙って顔を見合わせた。

案内された席に着き、3人はいつものように日替わりランチを注文したけれど、私は胃痛のせいで食欲がないのでリゾットを注文した。

今日の日替わりのおかずは私の好きなコロッケだったのに、私が注文しなかったのをみっちゃんは不思議に思っているようだ。

「モモ、今日コロッケなのに日替わり食べないの?」

「うん……食欲がないの、胃が痛くて」

「今日はずっと元気ないけど、八坂さんとまたなんかあった?金曜日は家に行ったんでしょ?」

みっちゃんには八坂さんの家に行くことを金曜日の休憩時間に話したから、もしかしてずっと気にしてくれていたのかな。

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