インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
だけどこれまで積極的に女友達を作らなかった尚史が、尚史に好意を寄せている谷口さんと友達になったなんて信じがたい。

だがしかし、尚史が嘘をついているとも思えない。

尚史は友達だと思っていても、谷口さんはそう思っていないということもありうる。

谷口さんはガンガン攻めると言っていたし、まずはお友達から始めて、距離を縮めたところをゲットする……っていう作戦?

ここはやっぱり、尚史がきちんと話してくれないと納得がいかない。

「……そこんとこ詳しく」

「あー……めんどくさいけどしょうがないな。谷口さんは俺のパーティーのメンバー」

「……は?何それ、イミフ……」

「だからぁ……『スタードラゴンミラクル伝説』だよ!モモはキャラデザ気に入らないって言ってやってないけど、谷口さんは『スタードラゴンミラクル伝説』のプレイヤーで、俺のパーティーのメンバーだったの!」

『スタードラゴンミラクル伝説』は玄人向けのオンラインゲームだ。

スタート時は初期設定された仲間を連れて冒険を始め、一定のレベルになるとオンライン上で見つけた仲間とパーティーを作って一緒に戦うことができるらしい。

私はキャラクターのデザインに魅力を感じなかったからプレイしていないけど、尚史がハマっていることは知っている。

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