インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「それは確かにそうだけど……なぜそれを?」

「キヨから聞いた。でもそんなの今はどうでもいい。モモが俺のこと家族みたいって思ってるんだったら、いっそのこと結婚したら本物の家族になれるし、ずっと一緒にいられるって思ったんだ、俺は」

ほほぅ……なるほど、それは確かに名案だ……って、感心してる場合じゃない!

キヨめ、二人だけのときに私が話したことを、こっそり尚史に吹き込んでいたなんて……!

今度会ったら文句言ってやらなくちゃ。

だけどおしゃべりなキヨのおかげで尚史の本音を聞くことができたわけだ。

それを考えると怒っていいのか感謝していいのかわからない。

「そんなこと考えてたんだね……。知らなかった」

「そりゃ当然だ、言ったことないからな。いきなり結婚することになって俺は棚ぼただって思ったけど、モモが怯んでるのも迷ってるのも気付いてた。だからこれ以上モモをビビらせないようにって思って、形だけとか今まで通りでいいって言ったし、できるだけ触らないようにしてたけど……俺、ホントはモモとちゃんとした夫婦になりたい」

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