インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
気が付くと私は自然と目を閉じていて、私の唇に尚史の唇がゆっくりと重なった。

尚史との2度目のキスは、少し照れくさくて恥ずかしくて、でもあたたかくてとても優しかった。

唇を離してまぶたを開くと、尚史は少し照れくさそうな顔をして目をそらす。

「ヤバ……ガチでヤバイかも」

「ヤバイって……何が?」

「さっきはカッコつけて『我慢する』とか言ったし、一応自制するつもりはあるんだけど……ぶっちゃけ俺は、やっぱりモモに触りたいって願望ってか、欲望?はあるんだよなぁ……。今もかなりヤバイ」

「えっ、なんでいきなりこのタイミングで下心を暴露するの?!」

『夫婦になったんだから、今ここで俺にすべてを捧げろ!』とでも言い出すつもりなのかと怯んでしまい、さりげなく離れようとすると、尚史はあわてて腕を伸ばし私をつかまえる。

「待て、逃げないでちゃんと聞け。もしモモがイヤじゃないなら、これからは遠慮なく手を繋ぎたいし、キスもしたい。もちろん毎日同じ部屋で、同じベッドで一緒に寝たい。そうなるとたぶん、まったく何もしないでいると言うのは無理だと思うけど……無理やり食う気はないし、モモも少しずつでいいから俺に触られることに慣れて欲しい。モモがいいって言うまで待つから」

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