インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
甘過ぎか!

これマジでアカンやつや……。

仮想カップルのとき以上に甘過ぎる……!

もしかしてこれが素の尚史なのかと思うと、糖度の高すぎる尚史との結婚生活は、毎日が大ピンチなのではないかと不安になってきた。

小さい頃からずっと一緒にいた尚史と裸で抱き合うなんて、想像すると恥ずかしくてたまらないけど、いつか私にも『尚史となら』と思える日が来るのかな?

まさか私がこんなことを考えるようになるなんて、思ってもみなかった。

しかも相手は尚史だなんて!

心の内を全部見透かされてしまいそうで、なんだか妙に恥ずかしい。

「モモはもう俺だけのモモだからな。これからは遠慮なくキスするから」

「もう勘弁して……」

「んー、それは無理だな。絶対逃がさん」

尚史はハンターみたいなことを言いながら、思いきり私を抱きしめて笑う。

尚史に触れられると鼓動が速くなって、抱きしめられると胸の奥が甘くうずく。

ぼんやりと自覚し始めたこの気持ちは、恥ずかしくて照れくさくてくすぐったくて、尚史にはまだ言えないけれど、どうやら私も尚史を好きだと認めざるを得ないようだ。



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