インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「うん、すごいラク。食べ物の好みも近いし、二人で同じ部屋にいるときに黙って別のことしててもお互い気にならないから、ずっと一緒にいられる」
ずっと黙って私たちの会話を聞いていた佐和ちゃんが、ニコニコしながらうなずいた。
「モモちゃん、いい人と結婚できて良かったね。そんな風に思える人、なかなかいないと思うよ」
既婚者の佐和ちゃんがそう言うのだから、結婚生活はきっといろいろと難しいところがあるのだろう。
仮想カップルを始めたときも尚史の意外な一面に驚いたけれど、一緒に暮らし始めたらまた、今まで知らなかった一面を見たりもするんだろうか。
たまにはケンカもするのかな。
なんにせよみんなが言うには、尚史は私にとってのベストパートナーだと、そういうことだ。
処方薬を飲み終えた金曜日には私の胃痛もすっかりおさまり、ようやく元の調子に戻った。
定時になり、帰り支度を済ませて席から立ち上がると、谷口さんが近付いてきて私の肩を叩いた。
「お疲れ様です!」
「お……お疲れ様……」
尚史は付き合っていないと言っていたけれど、谷口さんは尚史が好きなんだ。
だから尚史の友人だというお兄さんとゲームを通じて、尚史との距離を縮めようとしていたんだと思う。
ずっと黙って私たちの会話を聞いていた佐和ちゃんが、ニコニコしながらうなずいた。
「モモちゃん、いい人と結婚できて良かったね。そんな風に思える人、なかなかいないと思うよ」
既婚者の佐和ちゃんがそう言うのだから、結婚生活はきっといろいろと難しいところがあるのだろう。
仮想カップルを始めたときも尚史の意外な一面に驚いたけれど、一緒に暮らし始めたらまた、今まで知らなかった一面を見たりもするんだろうか。
たまにはケンカもするのかな。
なんにせよみんなが言うには、尚史は私にとってのベストパートナーだと、そういうことだ。
処方薬を飲み終えた金曜日には私の胃痛もすっかりおさまり、ようやく元の調子に戻った。
定時になり、帰り支度を済ませて席から立ち上がると、谷口さんが近付いてきて私の肩を叩いた。
「お疲れ様です!」
「お……お疲れ様……」
尚史は付き合っていないと言っていたけれど、谷口さんは尚史が好きなんだ。
だから尚史の友人だというお兄さんとゲームを通じて、尚史との距離を縮めようとしていたんだと思う。