インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「ホントにごめんってば……もう許してよぉ……」

「じゃあこれからは俺のいないところで酒は飲まないって約束してくれ」

「会社の飲み会も?」

「そうだな……しょうがないからそういう付き合いのときは、2杯くらいまでにしとけ。とにかく俺のいないところで酔うなよ、心配だから」

「わかった、約束する」

これで許してもらえるのかと思ったら、尚史は私の耳元に顔を近付けて、耳たぶを甘噛みした。

尚史の唇の感触で、ゾクリとしびれるような感覚が全身に走る。

「ひゃっ!何?!」

「目の前で好きな女が裸で寝てんのに、触ったりキスしたりしたいのを一晩中我慢したんだよ、俺は。ちょっとは誉めて欲しいし、ごほうびが欲しい」

さっきは『そんなものは要らん!』と言っていたのに、やっぱり欲しくなったのかな?

私がした仕打ちは尚史には相当堪えたようだし、ここは尚史の言う通りにした方が良さそうだ。

「う、うん……でもごほうびって……」

「思いきりキスしたいし、ちょっとだけでいいからモモに触りたい」

「えぇっ……」

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