インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私も人のことは言えないけど、尚史ってもしかして、見かけに似合わずかなり気が小さくて、ネガティブでめんどくさい?
幼馴染みだったときにはまったく気付かなかったということは、尚史はずっと私の前では、自分の弱さとか脆さを見せないようにしていたってこと?
逆に言えば、今は私に素の自分をさらけ出してくれていると、そういうことだよね?
尚史が私に甘えたり弱音を吐いたりするのは、それだけ私のことを信頼してくれている証拠なんじゃないか?
自問自答をした結果、今はとにかく私の気持ちを尚史に伝えなくてはという結論に至った。
私が呆然と立ち尽くして尚史の後ろ姿を眺めながらあれこれ考えているうちに、尚史は来た道をずいぶん先まで戻っている。
私は急いで尚史を追いかけ、思いきり尚史の手をつかむ。
尚史は立ち止まってつかまれた手をじっと見たあと、もう片方の手で私の手をほどこうとした。
「だから……もういいって」
「全然よくないよ!私、そんなこと全然思ってないもん!」
思いのほか大きな声が出た。
尚史は驚いた顔で私を見たあと、周りをキョロキョロ見回して、通りかかった人たちが不思議そうに私たちの方を見ていることに気付き、あわてて私をなだめようとした。
幼馴染みだったときにはまったく気付かなかったということは、尚史はずっと私の前では、自分の弱さとか脆さを見せないようにしていたってこと?
逆に言えば、今は私に素の自分をさらけ出してくれていると、そういうことだよね?
尚史が私に甘えたり弱音を吐いたりするのは、それだけ私のことを信頼してくれている証拠なんじゃないか?
自問自答をした結果、今はとにかく私の気持ちを尚史に伝えなくてはという結論に至った。
私が呆然と立ち尽くして尚史の後ろ姿を眺めながらあれこれ考えているうちに、尚史は来た道をずいぶん先まで戻っている。
私は急いで尚史を追いかけ、思いきり尚史の手をつかむ。
尚史は立ち止まってつかまれた手をじっと見たあと、もう片方の手で私の手をほどこうとした。
「だから……もういいって」
「全然よくないよ!私、そんなこと全然思ってないもん!」
思いのほか大きな声が出た。
尚史は驚いた顔で私を見たあと、周りをキョロキョロ見回して、通りかかった人たちが不思議そうに私たちの方を見ていることに気付き、あわてて私をなだめようとした。