インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「おいで」

あまりにも胸キュンなシチュエーションにまたしてもハートを撃ち抜かれ、激しく萌え死にそうになっていると、尚史は「ほら、早く」と手招きして促す。

「う……うん……」

尚史の胸に頭を乗せて隣に横になると、尚史は私を包み込むように優しく抱きしめて、私の額にキスをした。

こんな風に尚史に抱きしめられると、やっぱりまだドキドキする。

「ついこの間まではこの部屋で二人になってもひたすらゲームばっかしてたのに、今は新居とか結婚式の相談してるって、なんか不思議だよな」

「ホントにね。私もまさか尚史と結婚するとは思ってなかった」

「俺は何がなんでも絶対にモモと結婚するんだって思ってたから、今はそれが現実になって、幸せ過ぎてヤバイ」

「大げさだなぁ……」

「大げさじゃなくて。一緒にいるときいつも、モモのこと抱きしめたいとか、キスしたいとか思ってたけど、思うだけでできなかったから。今こうしてるのがすげぇ嬉しい」

尚史はいつだってゲームに夢中だとばかり思っていたのに、ひそかにそんなことを考えていたなんて!

もしかしたら私は、尚史の妄想の中で何度も丸裸にされていたのでは……?

< 463 / 732 >

この作品をシェア

pagetop