インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
もちろん尚史に裸を見せたことなんて、小さい頃に一緒にお風呂に入ったときを覗いては一度もないから、尚史の妄想の中の私の体は、尚史好みにカスタマイズされている可能性があるのだが。

私のゆうべの失態によって実状が明らかとなり、『思ってたよりずっとお粗末な体だった』と思われている可能性は否めない。

「はぁ……やっぱ可愛いな、モモは。ちっちゃいし柔らかいし……」

尚史は満足そうにそう言って、私の頬や額にキスをしながら頭を撫でる。

尚史はやたら『可愛い』とか『好き』とか言ってくれるけど、一体私のどこがそんなにいいんだろう?

「こんなこと聞くのもなんだけど……尚史は私のどこがそんなにいいの?」

私が尋ねると、尚史は私の頭を撫でる手を止め、不思議そうな顔をして首をかしげた。

「どこがって聞かれても困るんだけど……とにかく好き、モモの全部が」

「だけど私なんて尚史の好みとはかけ離れてるでしょ?童顔でちんちくりんで色気のない私より、巨乳でウエストがキュッとくびれてる美人の方が好きなんじゃないの?……あの雑誌のグラドルみたいな」

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