インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
雑誌のグラドルにまでヤキモチを焼いていると思われる覚悟で尋ねたのに、尚史は相変わらず不思議そうな顔をして首をかしげている。

「別に好きじゃないけど、なんで?」

「でも袋とじもしっかり楽しんでたみたいだし、尚史はそういう色っぽい女の子が好きなんだと私は思ったんだけど……」

「グラビアは買った雑誌に載ってたら普通に見るけどな。でもあの袋とじ開けたのは俺じゃない。同僚の上島があのグラドルのファンなんだよ。昼休みに会社で漫画読んでたら、この子好きだから見せてくれって」

なんだ……またしても私の勘違いか……。

だいたい尚史の好みのタイプがスタイル抜群の色っぽい美女なら、私に欲情したり好きになったりするわけがないと普通に考えればわかるのに、私はどうにも嫉妬深いようだ。

こんな些細なことでいちいち嫉妬していたら、束縛女だと思われて、いつかそのうち尚史に愛想をつかされるんじゃないだろうか。

「それとモモは無自覚みたいだけど……モモにも色気はちゃんとあるぞ?モモの場合は計算じゃないから余計にヤバイんだけど……。ずっと幼馴染みのままだったら、気付かないこともいっぱいあったんだろうな」

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