インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
もしかして尚史はいつも、私の前では目一杯カッコつけて平静を装っていたのかも……。
好きになると、そんなところもちょっと可愛く思えてくるから不思議だ。
キヨは笑いながら尚史の投げ付けた枝豆の殻を拾い集め、私たちの前に高そうなチョコを盛ったガラスのお皿を差し出した。
「怒んなって、これでも喜んでんだよ。何はともあれ、昔からの夢が叶ってモモっちと結婚できたんだから良かったじゃん、おめでとう。これ、俺からのお祝いだ。二人で仲良く食べてくれ」
「安くあげようとしやがって……」
「食わねぇの?」
「食うよ!」
「おう、食え食え。せっかくだから、モモっちに『あーん♡』してもらえ」
キヨがニヤニヤしながら尚史を冷やかすと、尚史は大きなため息をついた。
恥ずかしくてしかたがないという顔をしている。
尚史のこんな顔を見るのはレア中のレアだから、写真を撮っておきたいくらいだ。
「モモ、キヨから聞いたことは全部忘れて」
「それは無理だな、聞いちゃったもん。尚史も案外可愛いとこあるんだね」
「……あとで覚えてろよ」
あとで一体何をするつもりなのかはわからないけど、尚史の反撃が怖いので、この話は早々に切り上げて話題を変えた方が良さそうだ。
好きになると、そんなところもちょっと可愛く思えてくるから不思議だ。
キヨは笑いながら尚史の投げ付けた枝豆の殻を拾い集め、私たちの前に高そうなチョコを盛ったガラスのお皿を差し出した。
「怒んなって、これでも喜んでんだよ。何はともあれ、昔からの夢が叶ってモモっちと結婚できたんだから良かったじゃん、おめでとう。これ、俺からのお祝いだ。二人で仲良く食べてくれ」
「安くあげようとしやがって……」
「食わねぇの?」
「食うよ!」
「おう、食え食え。せっかくだから、モモっちに『あーん♡』してもらえ」
キヨがニヤニヤしながら尚史を冷やかすと、尚史は大きなため息をついた。
恥ずかしくてしかたがないという顔をしている。
尚史のこんな顔を見るのはレア中のレアだから、写真を撮っておきたいくらいだ。
「モモ、キヨから聞いたことは全部忘れて」
「それは無理だな、聞いちゃったもん。尚史も案外可愛いとこあるんだね」
「……あとで覚えてろよ」
あとで一体何をするつもりなのかはわからないけど、尚史の反撃が怖いので、この話は早々に切り上げて話題を変えた方が良さそうだ。