インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「漫画のこととかゲームのこととか。あと、尚史のこと」

「俺のことって?どうせまた何か変なこと言ってたんだろ?」

「変なことじゃないけど、尚史はとにかく私のことが大好きなんだって。好きすぎてたまに突然ネガティブ思考が発動してヘコむけど、私のことで簡単に浮上するって言ってた」

「言ってんじゃん……」

恥ずかしそうに呟く尚史が可愛くて思わず笑ってしまう。

こんなにも尚史に想われている私はなんて幸せなんだろう。

「そんなに笑うなよ」

「ごめん、もう笑わないから許して」

「絶対許さん」

照れ隠しなのか、尚史は少しぶっきらぼうに呟いてそっぽを向いた。

こういうところがたまらなく可愛くて、胸がキュンと甘い音をたててうずく。

少し前まではこんな風に尚史を可愛いと思ったことはなかったのに、今は尚史の言動のすべてが私の心を動かす。

私の中にまた尚史を思いきり抱きしめたい衝動が湧き起こった。

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