インスタント マリッジ～取り急ぎ結婚ということで～

昨日の別れ際、尚史は「家電の方は俺が部屋に行って立ち会うよ。エアコンの工事もあるから俺は行けないけど、モモは少しゆっくり休んで、おばあちゃんのお見舞いに行って来な」と言ってくれた。

ここ最近毎日引っ越し準備でバタバタしてろくに休めていなかったのは二人とも同じなのに、尚史は私を気遣ってくれたんだと思う。

光子おばあちゃんのお見舞いから戻ったら荷物を部屋に運ぶ予定だから、今日もかなりハードなことに変わりはないけれど、尚史のおかげで少し体がラクになったことだし、お礼にあとで何か差し入れを買って持って行こう。


11時頃に家を出て両親と一緒にお見舞いに行くと、光子おばあちゃんは私の小さい頃の写真を見てニコニコしていた。

伯母さんの話によると、光子おばあちゃんの容態はここ数日安定していて機嫌も良く、『モモちゃんの結婚式が楽しみだね』と毎日言っているらしい。

尚史の機転のおかげで光子おばあちゃんに花嫁姿を見せてあげられることになったし、私も結婚式が楽しみだ。


病院からの帰り道で買ったドーナツを持って新居に向かった。

昨日まで何もなかった新居に、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジやエアコン、テレビなどの家電が設置されている。