インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
尚史の買ってきてくれた飲み物とドーナツでひと息ついてからカーテンを取り付け、作り付けの収納スペースに収納できるものを片付けたあとは、尚史の家に寄って車で私の家に行き荷物を運んだ。
漫画は本棚が届いてから運ぶことにしたので荷物はたいした量ではなかったけれど、自分たちで運ぶのは思ったより大変だった。
ようやく荷物を運び終える頃には日が暮れて、外は薄暗くなっていた。
「今日はこれくらいにしておくか」
「そうだね」
ゴミをまとめて洗面所で手を洗い、戸締まりをして玄関に向かおうとすると、尚史が私を後ろから抱きしめた。
「明日からはモモと二人で、ここで暮らすんだな」
「うん」
尚史は私の体をくるりと自分の方に向かせ、正面からギュッと抱きしめて頭を撫でる。
「毎日モモと一緒にいられる。すげぇ嬉しい」
「私も嬉しい」
「そのうち家族が増えたりすんのかな」
「えっ?!」
「そんなに驚くことないだろ?夫婦なんだから」
まだ一緒に暮らし始めてもいないのに……いや、それどころか私たちはまだ子どもができるような行為に及んだこともないのに、いきなり子どものいる生活を思い描くのは気が早すぎる。
漫画は本棚が届いてから運ぶことにしたので荷物はたいした量ではなかったけれど、自分たちで運ぶのは思ったより大変だった。
ようやく荷物を運び終える頃には日が暮れて、外は薄暗くなっていた。
「今日はこれくらいにしておくか」
「そうだね」
ゴミをまとめて洗面所で手を洗い、戸締まりをして玄関に向かおうとすると、尚史が私を後ろから抱きしめた。
「明日からはモモと二人で、ここで暮らすんだな」
「うん」
尚史は私の体をくるりと自分の方に向かせ、正面からギュッと抱きしめて頭を撫でる。
「毎日モモと一緒にいられる。すげぇ嬉しい」
「私も嬉しい」
「そのうち家族が増えたりすんのかな」
「えっ?!」
「そんなに驚くことないだろ?夫婦なんだから」
まだ一緒に暮らし始めてもいないのに……いや、それどころか私たちはまだ子どもができるような行為に及んだこともないのに、いきなり子どものいる生活を思い描くのは気が早すぎる。