インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
ここ数日はあまりにも忙しくてすっかり忘れていたけれど、尚史から『一緒に暮らし始めたら』と言われていたんだった。

明日からは毎晩同じベッドで寝るわけだから、それがいつ現実に起こってもおかしくはない。

それはともかく、子どものことはやっぱり生活が落ち着いてから考えたいと思う。

「……気が早いよ、尚史は。それよりもまずは二人でちゃんと生活できるように頑張らないと」

「まぁ、それもそうか。いきなり結婚して恋人の期間がなかったからな。俺もしばらくは二人だけの生活を思いっきり楽しみたい」

「じゃあ楽しく快適に暮らせるように、二人で家事から頑張ろうか」

「そういうことじゃないんだけど……まぁいいや」

尚史は苦笑いを浮かべながらそう言って、私の唇にキスをした。

「明日からは二人っきりだからな?思いっきり可愛がってやるから覚悟してろよ」

「おっ……おぅ……」

改めてそう言われると、緊張と恥ずかしさで心臓がバクバクと激しい音をたてた。

これは気が抜けない……。

この調子だと私は、明日にでも食われてしまうんじゃないだろうか。


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