インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「なんで?なんかゲームのイベントでもあったっけ?」

「そうじゃないだろ。イベントっちゃイベントだけど、ゲームじゃなくてな。二人の結婚祝いのパーティーだよ」

「えっ、何それ聞いてない!」

尚史の方をチラッと見ると、尚史は白々しく視線をそらした。

どうやらこれは私に対するサプライズ的なやつで、尚史はこのパーティーのことを知っていたようだ。

「尚史は知ってたってことね?」

「二人の都合もあるだろうと思って尚史には言ったんだけどな。ビックリさせたいからモモっちには黙っとけって、俺が言ったんだ。それはともかく、二人ともこっち座れよ」

キヨは上機嫌で私と尚史の背中を押して店の奥へと導く。

そこには私と尚史のために用意してくれた席があって、きれいにアレンジされたお花が、たくさんの料理の並ぶテーブルを彩っていた。

「なんかすごいね。こんなきれいなお花まで……」

「それはリナっちが用意してくれたんだ。このパーティーもリナっちが言い出しっぺでな」

「リナっち?」

私が首をかしげると、谷口さんが大きく手を挙げた。

「はい、私です!」

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