インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
チラッとキヨの方を見ると、キヨは軽く咳払いをして、パンパンと大きな音をたてて手を叩いた。
「とんだ茶番だったな。谷口もタチ悪いよな、サプライズにもほどがあるっつうの。みんな、しょーもない茶番は忘れて飲み直そう!」
キヨの言葉でようやくいつもの雰囲気を取り戻し、もう一度みんなで乾杯をした。
私は勢いよくビールを飲み干し、目の前にあった唐揚げを箸で摘まんで口に運ぶ。
「キヨの作った唐揚げは冷めても美味しいね!作り方教えてよ」
「企業秘密だからダメ」
「なんでよ、いいじゃんケチ!友達でしょ?」
「じゃあ新妻モモっちにだけは特別に教えてやるよ。言っとくけど俺は厳しいぞ?ついて来られるか?」
「お願いします、先生!」
尚史はビールを飲みながら、黙って私とキヨのやり取りを聞いていた。
みんなの前であんなことを暴露されて、相当気まずいんだろうな。
きっと尚史は今、ネガティブ沼のどん底にいるに違いない。
私は尚史を責める気なんてないけれど、尚史自身が過去の自分を責めているんだと思う。
あとで尚史には、『何も気にしなくていい』とだけ言っておこう。
「とんだ茶番だったな。谷口もタチ悪いよな、サプライズにもほどがあるっつうの。みんな、しょーもない茶番は忘れて飲み直そう!」
キヨの言葉でようやくいつもの雰囲気を取り戻し、もう一度みんなで乾杯をした。
私は勢いよくビールを飲み干し、目の前にあった唐揚げを箸で摘まんで口に運ぶ。
「キヨの作った唐揚げは冷めても美味しいね!作り方教えてよ」
「企業秘密だからダメ」
「なんでよ、いいじゃんケチ!友達でしょ?」
「じゃあ新妻モモっちにだけは特別に教えてやるよ。言っとくけど俺は厳しいぞ?ついて来られるか?」
「お願いします、先生!」
尚史はビールを飲みながら、黙って私とキヨのやり取りを聞いていた。
みんなの前であんなことを暴露されて、相当気まずいんだろうな。
きっと尚史は今、ネガティブ沼のどん底にいるに違いない。
私は尚史を責める気なんてないけれど、尚史自身が過去の自分を責めているんだと思う。
あとで尚史には、『何も気にしなくていい』とだけ言っておこう。