インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「荷物が片付いたら遊びに来て」
「そうね、洋子ちゃんたちも誘って行こうかな」
「うん。それじゃあ……お父さん、お母さん、今日まで育ててくれてありがとう。お世話になりました」
一応形だけでもと思い、両親に頭を下げた。
二人は私の方を向いて笑っている。
その表情は安堵に溢れていた。
将来を心配していた一人娘を安心して託せる中森家に嫁がせて、やっと肩の荷が下りると言ったところだろうか。
「あんたたちのことだから、どうせこれからも世話になるつもりでしょ?」
「うん。落ち着いたらまた料理教えて」
「いいわよ。いくらでも教えてあげる。そうだ、これ持っていきなさい」
母は引き出しの中から私名義の通帳と判子を取り出し、私の手に握らせた。
「思ってたよりずっと結婚資金がかからなかったからね。衣装のレンタル代とか払うもの払ったら、あとは必要なときのために取っときなさい」
通帳を開くと、金額はマチマチであっても、毎月欠かさずに入金されている記録が残っていた。
両親が私のために何年もかけて、コツコツと貯蓄してくれていたことがわかる。
「そうね、洋子ちゃんたちも誘って行こうかな」
「うん。それじゃあ……お父さん、お母さん、今日まで育ててくれてありがとう。お世話になりました」
一応形だけでもと思い、両親に頭を下げた。
二人は私の方を向いて笑っている。
その表情は安堵に溢れていた。
将来を心配していた一人娘を安心して託せる中森家に嫁がせて、やっと肩の荷が下りると言ったところだろうか。
「あんたたちのことだから、どうせこれからも世話になるつもりでしょ?」
「うん。落ち着いたらまた料理教えて」
「いいわよ。いくらでも教えてあげる。そうだ、これ持っていきなさい」
母は引き出しの中から私名義の通帳と判子を取り出し、私の手に握らせた。
「思ってたよりずっと結婚資金がかからなかったからね。衣装のレンタル代とか払うもの払ったら、あとは必要なときのために取っときなさい」
通帳を開くと、金額はマチマチであっても、毎月欠かさずに入金されている記録が残っていた。
両親が私のために何年もかけて、コツコツと貯蓄してくれていたことがわかる。