インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
改めて『抱きたい』なんて言われると、さっきまでの自分の乱れぶりや、尚史にされたあれやこれやを思い出して、無性に恥ずかしくなった。

それでも尚史に求められていることは嬉しいし、私も尚史と触れ合いたいと思う。

だけどそれを伝えるにはどう言えばいい?

『私も尚史としたい』 なんて言うのは恥ずかしいし、『浮気する余裕がなくなるくらい毎日しよう!』とか『好きなだけ触っていいよ!』も違う気がする。

『モモじゃなきゃ満足できない体にしてあ・げ・る♡』とか……いや、これは絶対に違うだろう。

「じゃあ……これからは私にだけ……してね」

恥ずかしさをこらえて小さな声でそう言うと、尚史は私をガバッと抱きしめて、大きなため息をついた。

「またそんな言葉を……!それ、完全に反則だから!」

反則って、なんのことだろう?

私はもしかして、言ってはならぬ言葉をのたまってしまったのか?

「……反則って?」

「可愛すぎるから!モモにそんなこと言われたら、俺また我慢できなくなってヤバイから!モモがもう少し慣れるまではできるだけ1回で抑えるように我慢するから、あんまり俺を煽らないで」

私の体に密着した尚史のそれが、また頭をもたげて熱く張りつめていることに気付いた。

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