インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「だったらもうひとつ約束して。尚史は私に気を遣って、思ってることあんまり言わないけど……言ってくれなきゃわからないこともあるし、夫婦になったんだから、これからはちゃんと言ってね」
私の言葉は意外だったようで、尚史は少し驚いた顔をした。
「ホントに?言っていいの?」
「うん、いいよ」
「じゃあ思いきって言うけど……」
私に言いたいことをそんなに我慢していたのかと思って真剣に話を聞こうとしたら、あろうことか尚史は私の胸を鷲掴みにした。
予想外の尚史の行動に目が点になる。
「やっぱりもう1回……」
「早よ寝ろ」
喧嘩しているときは地を這うような絶望的な顔をしていたのに、仲直りした途端これだ。
そりゃ犬も食わんわ。
私に冷たくあしらわれた尚史はばつの悪そうな顔をして、私の胸から離した手で自分の頬をさすった。
「じゃあ2回目は我慢するから……おやすみのキスはしてくれる?」
「うん、いいよ」
私たちは額をくっつけて『おやすみ』と言ったあと、唇が触れ合うだけの長くて優しいキスをして、裸のまま抱きしめ合って眠りに就いた。
少しずつ薄れていく意識の中で、尚史が最初で最後の人になることが、心の底から嬉しいと思った。
私の言葉は意外だったようで、尚史は少し驚いた顔をした。
「ホントに?言っていいの?」
「うん、いいよ」
「じゃあ思いきって言うけど……」
私に言いたいことをそんなに我慢していたのかと思って真剣に話を聞こうとしたら、あろうことか尚史は私の胸を鷲掴みにした。
予想外の尚史の行動に目が点になる。
「やっぱりもう1回……」
「早よ寝ろ」
喧嘩しているときは地を這うような絶望的な顔をしていたのに、仲直りした途端これだ。
そりゃ犬も食わんわ。
私に冷たくあしらわれた尚史はばつの悪そうな顔をして、私の胸から離した手で自分の頬をさすった。
「じゃあ2回目は我慢するから……おやすみのキスはしてくれる?」
「うん、いいよ」
私たちは額をくっつけて『おやすみ』と言ったあと、唇が触れ合うだけの長くて優しいキスをして、裸のまま抱きしめ合って眠りに就いた。
少しずつ薄れていく意識の中で、尚史が最初で最後の人になることが、心の底から嬉しいと思った。