インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「あー……緊張して体に力が入ってたもんな、初めてだったから痛かったと思うし」
尚史にそう言われてやっと、この体のだるさの原因がわかった。
そうだった……。
ゆうべ私は、生まれて初めての経験を尚史としたんだ。
好きな人と初体験した翌朝は全身筋肉痛だなんて、色気なさ過ぎじゃないか?
恋愛小説なんかで読んだことのある後朝の趣にはほど遠い。
「それとも、俺そんなに激しかった?モモ、めっちゃ乱れてたし」
「うるさい、黙って早よ起きろ」
平日の朝は忙しいんだから、ゆうべの甘い余韻に浸っている時間もなければ、もちろん尚史のエロトークに付き合う余裕などあるわけがない。
急いで身支度を整えて簡単な朝食を済ませ、戸締まりをして二人一緒に家を出ようとすると、尚史は私の腰を抱き寄せる。
「行ってきますのキスは?」
「キスならさっきも……」
私が『さっきもした』とまだ言い終わらないうちに、尚史は私の唇を唇でふさいで言葉を遮る。
「あれはおはようのキス。これは行ってきますのキス」
「……朝からそんなにするの?」
「帰るまではできないからな」
そう言って尚史はもう一度キスをした。
尚史にそう言われてやっと、この体のだるさの原因がわかった。
そうだった……。
ゆうべ私は、生まれて初めての経験を尚史としたんだ。
好きな人と初体験した翌朝は全身筋肉痛だなんて、色気なさ過ぎじゃないか?
恋愛小説なんかで読んだことのある後朝の趣にはほど遠い。
「それとも、俺そんなに激しかった?モモ、めっちゃ乱れてたし」
「うるさい、黙って早よ起きろ」
平日の朝は忙しいんだから、ゆうべの甘い余韻に浸っている時間もなければ、もちろん尚史のエロトークに付き合う余裕などあるわけがない。
急いで身支度を整えて簡単な朝食を済ませ、戸締まりをして二人一緒に家を出ようとすると、尚史は私の腰を抱き寄せる。
「行ってきますのキスは?」
「キスならさっきも……」
私が『さっきもした』とまだ言い終わらないうちに、尚史は私の唇を唇でふさいで言葉を遮る。
「あれはおはようのキス。これは行ってきますのキス」
「……朝からそんなにするの?」
「帰るまではできないからな」
そう言って尚史はもう一度キスをした。