インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私も水野さんの行動のすべてに共感できるわけではないし、理解したいとも思わない。

「でもまぁ……水野さんに何を言われたって、私は負けるつもりも尚史を差し出す気もないけどね」

「当たり前です!それでこそモモ先輩ですよ!」

リナっちには、私はずいぶん強い女だと思われているらしい。

負けん気が強いと言う意味ではあながち間違いでもないけれど、こんな私だって尚史と水野さんの過去の話を詳しく聞いて、それなりにショックだった。

だけどそれを蒸し返しても何もいいことなんてないから、ここはサラッと流して、そろそろ水野さんのことは忘れてもらおう。

「ああ、そうだ。リナっちとも結婚式の打ち合わせしたいんだよね。今日の晩、尚史と一緒に買い物済ませてからキヨの店に行くんだけど、リナっちは?」

「もちろん私も行きますよ!先に行って待ってますね」


昼休みになり、いつものようにみっちゃん、佐和ちゃん、アキちゃんと一緒に『アンバー』で日替わりランチを注文した。

今日のメニューは和風おろしハンバーグとコーンのコロッケだ。

みっちゃんはランチスープをかき混ぜながらニヤニヤしている。

「昨日から一緒に暮らし始めたんでしょ?新婚生活はどうよ?」

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