インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
食事が済んでからリナっちと簡単に打ち合わせをして、1時間ほど経った頃に店を出た。
電車を降りて歩いていると、尚史は通勤鞄と引っ越し挨拶用に買った荷物を右手にまとめて持ち、左手で私の手を握った。
「あんなに頼んだのに、結局オムライスの作り方教えてもらえなかった」
「残念だったね」
「こうなったら、俺は自分で調べて練習して研究を重ねて、絶対にキヨを超えてみせるからな」
すごいやる気だ。
いつも何事にも無気力だったあの尚史と同一人物だとはとても思えない。
キヨがオムライスの作り方を教えてくれなかった理由が、『尚史が俺よりうまく作れるようになるとは思えないけど、念のためな。オムライスに関しては俺がモモっちのナンバーワンだ。これだけは譲らん』だったから、余計に闘争心に火がついたのだろう。
「料理初心者の尚史がプロのキヨに勝とうと思ったら、すっごい大変なんじゃない?それこそレベル1でボスに挑むくらい無謀だと思うよ」
「だからめちゃくちゃ練習してレベル上げて、絶対に勝つ。最後に姫のハートを射止めて結婚するのは勇者だからな」
「いや、もう結婚しとるがな」
尚史がキヨを超えるのに何年かかるかはわからないけど、どんどん腕前が上達していく尚史を見てみたい。
電車を降りて歩いていると、尚史は通勤鞄と引っ越し挨拶用に買った荷物を右手にまとめて持ち、左手で私の手を握った。
「あんなに頼んだのに、結局オムライスの作り方教えてもらえなかった」
「残念だったね」
「こうなったら、俺は自分で調べて練習して研究を重ねて、絶対にキヨを超えてみせるからな」
すごいやる気だ。
いつも何事にも無気力だったあの尚史と同一人物だとはとても思えない。
キヨがオムライスの作り方を教えてくれなかった理由が、『尚史が俺よりうまく作れるようになるとは思えないけど、念のためな。オムライスに関しては俺がモモっちのナンバーワンだ。これだけは譲らん』だったから、余計に闘争心に火がついたのだろう。
「料理初心者の尚史がプロのキヨに勝とうと思ったら、すっごい大変なんじゃない?それこそレベル1でボスに挑むくらい無謀だと思うよ」
「だからめちゃくちゃ練習してレベル上げて、絶対に勝つ。最後に姫のハートを射止めて結婚するのは勇者だからな」
「いや、もう結婚しとるがな」
尚史がキヨを超えるのに何年かかるかはわからないけど、どんどん腕前が上達していく尚史を見てみたい。