インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「俺もモモの一番になりたい」

「もうなってるけど?」

「マジか……!」

尚史は興奮気味に私を抱き上げて靴を脱がせ、寝室のベッドに運んですばやく私を組み敷いた。

そのすばやさたるや、まるで柔道かレスリングのオリンピック金メダリストのようだ。

「帰ってくるなりベッドに直行って!」

「モモが可愛すぎるからだろ。これでもかってくらい優しくするから、思いっきりキスして撫でまわしていい?」

それだけじゃ済まないクセに。

尚史め、今日も私を残さず食う気だな?

いくら新婚でも、しょっぱなからいきなりの連闘は勘弁して欲しい。

「まだお風呂にも入ってませんが?」

「俺は気にしませんが?」

「私は気にするのでダメです」

口の前で人差し指をクロスさせて×(バッテン)を作ると、尚史は私を抱き起こし、横抱きにして歩き出した。

「いずこへ?」

「風呂が済んだらOKなんだろ?だから一緒に風呂に入ろう」

「入らんわ!それにゆうべもしたでしょ?いきなり2日続けては……!」

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