インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「俺の匂い……?俺、やっぱにおう?」
「そうじゃなくて……尚史の匂い。私は好き、すごく安心する」
「ふーん?俺もモモの匂い好き」
抱きしめ合って、お互いの首筋に鼻先をくっつけた。
尚史の鼻先が首筋に当たってくすぐったい。
「モモはいい匂いがする」
「せっけんとかシャンプーとか?」
「それとはまた違うな。でも俺のすげぇ好きないい匂いで……。モモの匂い嗅いでたらホッとして眠くなってきた」
「私も安心して眠くなってきた……」
尚史はスマホを手に取り、アラームをセットして再びベッドサイドに置いたあと、私を抱きしめて優しく髪を撫でた。
「おやすみ」
「おやすみ」
「いい結婚式にしような」
「うん……」
私たちは軽く触れ合うだけの優しいキスをして、愛する人のぬくもりと匂いに包まれ、あっという間に眠りの淵に落ちた。
眠りに就くその前に、結婚式の前日に起こったトラブルも、一人では心細くて眠れなかった夜も、何年か経ったときにはきっと笑い話になるんだろうなと思った。
「そうじゃなくて……尚史の匂い。私は好き、すごく安心する」
「ふーん?俺もモモの匂い好き」
抱きしめ合って、お互いの首筋に鼻先をくっつけた。
尚史の鼻先が首筋に当たってくすぐったい。
「モモはいい匂いがする」
「せっけんとかシャンプーとか?」
「それとはまた違うな。でも俺のすげぇ好きないい匂いで……。モモの匂い嗅いでたらホッとして眠くなってきた」
「私も安心して眠くなってきた……」
尚史はスマホを手に取り、アラームをセットして再びベッドサイドに置いたあと、私を抱きしめて優しく髪を撫でた。
「おやすみ」
「おやすみ」
「いい結婚式にしような」
「うん……」
私たちは軽く触れ合うだけの優しいキスをして、愛する人のぬくもりと匂いに包まれ、あっという間に眠りの淵に落ちた。
眠りに就くその前に、結婚式の前日に起こったトラブルも、一人では心細くて眠れなかった夜も、何年か経ったときにはきっと笑い話になるんだろうなと思った。