雨上がりの恋
だけど、悠太はロクでもない男ではなかったし、よく知らずに付き合ったわけでもなかった。

悠太とは、職場は違うけど同じ職種の交流会で出会ったのが初めてだった。

その後も、仕事関係で顔を合わすことが何度か重なり徐々に親しくなっていった。

「頼人の言う事は最もだけど一つだけ間違ってるよ。」

「どこがだよ。」

「悠太はロクでもない男じゃないから…」

「そうだね。私も一度だけ会ったことあるけど、誠実そうな人だったよ。今回はこんなことになったけど、悪い人ではないと思う。」

と、千秋もそう言ってくれた。

悠太との恋は辛い結果にはなったけど、今でもやっぱり憎みきれない。

それに仕事の面でも先輩だから見習うべき所は沢山あったし、いい刺激をたくさん受けた。

少なくとも、私と付き合っている時の悠太は私と真剣に向き合ってくれていたと思う。

だから、ロクでもない過去カレ達の中に一括りにされてしまうのは嫌だった。
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