雨上がりの恋
「ちょっと!いきなり話しかけないでよ。それにそもそもなんで頼人がここにいるのよ!」

だけど私が強気で言えるのはここまでだった。

私の言葉に、はぁ…と大げさなため息を落とした頼人。

「まぁ、だいたい予想はしてたけどやっぱり覚えてないんだな。昨日のこと。」

と逆に、呆れたような目を向けられたら、強気だった私の態度がしゅるしゅると一気に萎んだ。

どうやら形勢逆転のようだ。

昨夜、迷惑をかけたことを慌てて謝った。

「いや別にそこまで迷惑はかけられてねえから、気にしなくていい。」そう言ってくれた頼人に、他にも何かしでかしていないか聞いたけど、リバース等はしていないようでとりあえずホッとした。

とにかく、昨夜は記憶をなくすほど酔っていた私を頼人が部屋まで送り届けてくれたのは分かったけど、彼は何故そのあと自宅に帰らなかったのだろう。その疑問をぶつけると。
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