罪あることの荒唐
「なんだ貴様は! そいつが罪人だと知ってのことか!」
騎士団の連中は狼狽(うろた)え、男から少し距離を置いた。
いくら油断していたとはいえ、瞬時に罪人の前まで駆け寄り、騎士の剣を受け止めるなど並みの腕ではない。
ユタは、剣を構え直した男の背中に目を眇めた。
目深に被ったフードで顔はよく見えない。しかれど、体格は優にユタのふた回り以上はあるのではと思われる。
「我ら騎士団に刃向かうなど。貴様も罪人か!」
男は無言で、かかってこいと言わんばかりに剣を見せつけるように構えていた。その迫力に押されたのか、騎士たちはしばらく戸惑ったあと、舌打ちをして去って行った。
「あ、あの。ありがとう」
振り返った男はフード越しにユタを見て、剣を仕舞う。
「おーい。おっさん。大丈夫か」
草陰から様子を見ていたツムが姿を見せると、フードの男は素早く駆け寄った。
騎士団の連中は狼狽(うろた)え、男から少し距離を置いた。
いくら油断していたとはいえ、瞬時に罪人の前まで駆け寄り、騎士の剣を受け止めるなど並みの腕ではない。
ユタは、剣を構え直した男の背中に目を眇めた。
目深に被ったフードで顔はよく見えない。しかれど、体格は優にユタのふた回り以上はあるのではと思われる。
「我ら騎士団に刃向かうなど。貴様も罪人か!」
男は無言で、かかってこいと言わんばかりに剣を見せつけるように構えていた。その迫力に押されたのか、騎士たちはしばらく戸惑ったあと、舌打ちをして去って行った。
「あ、あの。ありがとう」
振り返った男はフード越しにユタを見て、剣を仕舞う。
「おーい。おっさん。大丈夫か」
草陰から様子を見ていたツムが姿を見せると、フードの男は素早く駆け寄った。