どうしても、キミに言えなくて。
笑わないで

あれから、1週間が経った。
楽しい毎日だけど、それと同時に…病気も進んでいる。
あと…2ヶ月と2週間くらいかな…?

「…大気君!」

「……っ華…!?」

パッ

「?どうかした?」

「ううん、何にもない…」

「?そう…」

最近、大気君の様子がおかしいんだよね…。
何かあったのかな?
悩みがあったらいつでも聞くのに……。

「「……」」

ズキンッ

二人で帰る時は…いつも、楽しいのに…最近は…楽しくない。

「あの、大気君!」

「…何?」

「悩みがあったら、いつもでも聞くからね!」

「っ!?…ありがとう。」

ホッ

これで大丈…

「でも…悩みないから」

ドクン

えっ?

「大丈夫だよ。心配してくれて、ありがと…」

ズキッ

何で…?何で嘘つくの?
本当は…悩んでるんでしょ?
何かはわからないけど、悩んでるんでしょ?
いつも一緒にいるからわかるよ?

「今日はどっか…」

「嘘つき」

「…?」

「嘘つき!!!悩んでるくせに!」

「何言ってるの?別に悩んでなんか…」

「どうして…?どうして嘘つくの?」

わからない…大気君が…

ポロポロポロ

大気君が…

「何を考えてるのか…全然わかんないよ!!!」

「……っ」

何で…言ってくれないの?
私…そんなに…

「頼りないから?だから言わないの?」

「違っ…!」

「じゃあ…教えてよっ。お願いだから…!」

「それは…できない…」

「……っ!?」

グッ

もう…無理だよ…っ!

「頼りないんじゃん!もう…無理だよね、頼りない私じゃ…っ。」

この言葉は言いたくない。だけど…言わなきゃ行けない。
彼の…心を軽くするために…っ

「…大気君、別れよう」

「えっ…」

「病気で、頼りない私なんか…無理だもんね」

「……っ!?」

「……だから…別れよう」

そう…これでいい。

「明日から、友達として生活しよう。よろしくね…」

これを言ったら、本当に壊れてしまうかもしれない。
だけど…それでいい。

「明日からよろしくね、美崎君」

「……っ」

「じゃあね!」

タッ

「華っ!!!」

これで…いい。
彼を…傷つけたくない。
だから…別れなきゃいけない。
本当に…大好きだった。だから…さようなら…

「あぁっ!うぁぁぁあぁっ!!!」

もう…恋なんてしたく、ない。
傷つけるんだったら…恋なんて…したく、ない!!!

「ひっ、うぁぁ…」

「……っ」

二人とも…どうしても、キミに言えない。
本当のこと…。
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