どうしても、キミに言えなくて。
華のくだした決断

恋…それは…すぐになくなってしまうもの…。
1度結ばれたと思ったら、すぐにほどけている。
大切にしたいと思うほど、大切にできない。
そう…知った。

「華ちゃん!おはよう!」

「…海斗君、おはよう。」

「…?どうかしたの?」

「……聞きたい?」

「うん!」

「…皆には、秘密だよ?」

「うん!」

「私ね、別れたんだ…彼氏と」

「そうなんだ…彼氏と…彼氏とっ!?」

バッ

「声が大きいよ!!!」

「あっ…ごめん。」

「…気をつけてね…」

「うん。でも、何で?」

「…いろいろとあって…」

「そっか…。学年で1番モテてる男子、美崎大気だもんね。」

「うん…って、知ってるの?」

「うん。お似合いだったからね」

「…そうなんだ」

「二人とも美男美女で絵になるカップルって言われてるもん」

「そう…なんだ…」

全く知らなかった…。

「皆…憧れてたよ、二人に…」

「…でも今は…」

「うん、別れたんだったら、気をつけた方がいいよ。」

「えっ…何で?」

「だって…」

んっ?廊下の方?

チラッ

「っ!?」

「さっき俺が大声で言ったから、伝わったみたいで…。ごめん…」

「「「五十嵐華さん、付き合ってください!!!」」」

「「逃げるよ!」」

ダッ

ひっーーー!!!

ハッ

でも…そんなに走ったら…

『スポーツ全般、ダメだよ!』

やっ…ヤバい!!!
どうしよう!

「大丈夫?」

「なっ、何が!?」

「いつも体育、見学だったから…そんなに走ったら、いけないんじゃ…」

「…実は、そう…」

「わかった」

「?」

ひょい

「へっ!?ちょっと…何!?」

「この方が、いいでしょう?」

「そうだけど…恥ずかしいよ…っ!」

これってお姫様抱っこじゃん!

バタバタ

「くそっ!どこ行った?」

「あっち行ってみようぜ!」

「うん!」

「「五十嵐さん!!!」」

「「……」」

「なんとか…まけたみたいだな」

「はぁはぁ…だね」

疲れた。というよりも、恥ずかしくて死にそうだった…///

カァァァ

「…授業始まちゃうね…」

「だな。サボる?」

「無理だよ!」

「優等生だもんな」

「……っ!」

優等生…か… 。

「何で…」

「?」

「何で俺に話しかけてくれるんだ?」

「えっ?」

「いつも、皆から怖がられてるから…」

「あぁ…。確かに怖いよ。」

「えっ!?何で…」

「だけど、人は見た目で判断しちゃいけないでしょ?」

「!」

「見た目は怖いけど、優しい、って思ったんだ…!」

「…そうなんだ…//」

「実際、優しかったけどね!」

「少しずつ…皆から声をかけてもらえるようになったんだ…」

「よかったね!おめでとう!」

ニコッ

「っ///うん…ありがとう…」

「…私…」

「好きって…言ったら、迷惑?」

「えっ?」

「好きだ!」

ドクン

私はただ、海斗君がクラスに馴染めるようにしてあげたかった。
なのに…海斗君は…私のことを…好きって言った。

ザッ

「……っ」
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