どうしても、キミに言えなくて。
失ってない

『華…っ!!!!!』

さようなら…ごめんね…

ひゅぅぅ…

『五十嵐さん!』

『華…っ!』

『ずっと一緒にいよう』

『もう…』

ガシッ

「もう…離れないから」

「…っ!?大気君、離して!」

「嫌だ!」

このままじゃ、大気も落ちる…っ!

グッ

「暴れるな!」

「無理…だよ…」

今の私には…

「何もないもん…」

ポロ…

「全部…失ってないだろう?」

「っ!?」

失って…ない?

「お前には…俺がいる!!!」

「っ!!!」

ポロポロポロ

「…うん…うん…っ」

何回…キミに気づかされるんだろう?
失ったと思った…。
生きる意味なんてないと思った。
けど…違うんだね。キミは…。

ぎゅっ

「…大気君っ」

大気君の気持ち…伝わったよ…。
だけどね…ダメなんだよ。
大気君を死なせるわけにはいかないから…!

「大気君…ありがとう」

ニコッ

「…は…な?」

バッ

ごめんね…!

「…華!!!!!」

離れてごめんね…。

「…大好き…だよ…大気君っ」

「華ーーーっ!!!!!」

そこで、私の視界が…真っ暗になった。

『華…』

『好きだよ』

『付き合って』

『華…っ!行かないで?』

ハッ

「っ!」

ガバッ

「ここは…病院?」

カタンッ

「っ!?…大気…君…っ?」

「遅い!もっと…はやく…目ぇ…覚ませよ!」

「…私…生きてるの?死んだんじゃ…」

「お前…記憶にないのか!?」

「えっ…何を?」

「…あの時、お前が落ちた下に…たまたま体育で使った、マットがあったんだよ」

「……」

「それで助かったわけ」

「へぇ……。ざっくりだね…」

「うるさい!本当…心配したんだからな」

シュン

「ごめんなさい…」

「…!!許してやるから…付き合えよ!」

「どこに?」

「…!?そっちの付き合うじゃねぇ!…カレカノに…戻りたい…です」

「プッ!何で最後だけ敬語なの!?」

「うるせぇ!いいだろ、別に!」

「やだ!」

「えっ…!!??」

「だって、頼ってくれないんだもん!」

「…まだ言ってたのか?」

「悩みがあるなら話してほしい!じゃなきゃ、絶対付き合わない!」

「っ!…でも…」

「別にいいよ、言わなくても…」

「本当!!?」

「うん!だって、付き合わないもんね!」

「鬼!!!」

「で、言うの?言わないの?どっち?」

「言います!言わせてください!」

「よろしい!」

「…絶対…笑うなよ///」

「うん!」

やっと悩みを聞いてあげられるんだ!

「…ヤキモチ」

「…えっ?」

「だから、嫉妬したんだよ!」

「誰に?」

「それは…永山と華に」

ヤキモチ!!!可愛い!!

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