どうしても、キミに言えなくて。
もう…忘れないよ

『華!』

夢を見た。
私とキミがずっと一緒で、幸せそうに笑い合っている夢を…
ずっと…見ていたかった。

「ここは…」

チュンチュン

鳥の鳴き声。

ガヤガヤ

人々の話し声。
いろんな声、音が聞こえる。
病院?でも…
何かが違う。病院と……。

ふっ

真っ暗になった…!?

「…大気君…?」

怖い。暗い。どっちに進んでいいのかわからない。
…怖いっ!!!
助けて、大気君!

ザッ

『華!戻って来て』

えっ…?

『華!お願いだから…!1人にしないで?』

大気君の苦しそうな声。
泣いているの?
泣かせてしまったの?
はやく…行かなきゃ!なのに…

シーン

暗くて怖い。
足が動かない。

『華!助けて!!!』

『…大気、君…っ!』

『華っ!!』

ハッ

「…っ!夢…?」

…大気君!大気君は!?

キョロキョロ

「…!」

ポロポロ

よかった…。

「スースー」

疲れて寝ちゃったのかな?
触りたいな…。

ギシッ

「……」

あと、ちょっと…

クラッ

「!?」

ヤバイっ!

ドタッ

痛っ…!

「うっ…」

……触りたい、キミに

「…っ!」

ガクガク

「大気、君…っ!」

痛い。苦しい。
まだ…生きられるはずなのに…!
なぜだか…死ぬ気がする。
だから…触りたいって思ってしまう。
最後に……。

「……っ!」

サラッ

やっと…触れた。
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