どうしても、キミに言えなくて。
彼女の心


ー大気sideー
彼女が倒れたと聞いた時は、心臓が飛び出そうだった。

「大気君…」

「すみません!俺がついていながら!!」

彼女のお母さんに謝った。
それから、毎日、お見舞いに行った。
…彼女が、目覚めるまで…。

「華…」

5日後に、目を覚ましたと連絡がきた。
嬉しくて、はやく会いたくて、走って病院に行った。
そしたら…

「…3ヶ月」

えっ…?3ヶ月?何が?

「はやいね。半年だったのに、3ヶ月か…」

ドクンッ

3ヶ月。嫌でもその意味を理解した。
3ヶ月…。それは、彼女の…余命だ…。

「大気君…?」

荷物を落としてしまい、俺がいることに気づいた彼女…。

「…お母さん、ごめん」

「…わかった」

「ありがとう…」

パタンッ

彼女は…話そうとしてる。

「……」

病気のこと…。自分のことを…。

「3ヶ月って、あっという間だよね。」

「えっ?」

びっくりした。急に言うから…。
でも…言わなきゃ!

「知ってた。全部。」

「えっ…?」

「病気のこと…」

「そっか。じゃあ、言わなくてもわかるか」

「うん…」

彼女は、ちょっとホッとしたような、でも…悲しそうな顔をした。
きっと…言わなくていい気持ちと、自分の気持ちで言いたかった、っという気持ちがあるのだろう。
『好きじゃない』

ハッ

誤解を解かなきゃ。

「好きじゃないって言ったの、覚えてる?」

「…うん」

なんか…苦しそう…

「あれ、本当は…嘘だから」

「えっ?」

「ずっと、大好きだったから」

「……!」

顔、真っ赤///って、俺もか…。

「えっ…?俺、何かした?」

「ちっ、違うの…!嬉しくて!」

「えっ…?」

「私も、ずっと前から…好きだった!」

「……っ!」

「だけど、付き合えない」

ドクン…

「それは、病気だから?」

「うん。泣くの見たくない!」

「…違うよ!幸せだから泣くんだよ!」

「…っ!」

「華に大切にされてたから、泣くんだよ」

「…!」

「だから…付き合ってくれる?」

彼女の隣にいたい。
彼女を幸せにしたい。
それしかできないから…っ。

「うっ、あぁぁ!」

「大丈夫。俺は、離れない!」

「うっ…!」

「付き合ってくれる?」

「……っ!うん…!」

「ありがとう///」

彼女を幸せにしたい。
二人で幸せになりたい。
彼女と、ずっと一緒にいたい。
その思いが、罪になるはずがない。

「……っ!」

彼女を守らして。
最後の最後まで。
彼女に幸せをあたえたい。
キミが死ぬまで、ずっとそばにいるから…。
絶対…、守るから!
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