どうしても、キミに言えなくて。
最初で最後の恋


ー華sideー
はじめて彼氏ができた。
彼氏なんて、作る気なかったけど、キミに…恋をした。
その時点で私の負けだった。

「華!」

「大気君!」

「「おはよう!」」

そう言い合える、とても幸せ。

「学校は?」

「もうちょい」

「遅刻しないでよ!」

「了解」

毎朝毎朝、来てくれる。
雨の日でも…。

「また、来るね」

ハッ

「うっ…うん」

「じゃあね!」

「……」

パタンッ

「…っ!」

いいのかな?これで?
大気君…無理してそうで…怖い……っ。

「華ちゃん」

ビクッ

「…っお母さん!?」

「元気そうね…」

「うん…」

ガタンッ

お母さんも、大気君も…やつれてるような気がするのは、気のせいかな?

「明日、検査でしょ?」

「…うん」

「…学校は…やめる?」

ドクンッ

「…えっ?」

学校をやめるって…退学するってこと?

「……っ」

私が学校に行ったら、迷惑になるから…行かない方が、いいのかな?

「…考え…させて」

「…わかった」

迷惑かもしれないけど、行きたい。
だけど、行ったら迷惑をかける。
どっちを選んだらいいの?

「お母さん、この後用があるから、行くね」

「うん…」

パッ

「お母さん、ありがとう。来てくれて」

「…!うん…」

パタンッ

「……」

気のせいなんかじゃない。
私のせいで…

『華…』

『華!』

お母さんが、大気君が…
私の大切な人達が傷ついてる…っ。
それで…いいの?

『『華っ!!』』

大切な人達を…苦しませいくない!
私にできることは何?何ができる?

『あと、3ヶ月よ…』

3ヶ月…。
3ヶ月も二人に苦しい思いをさせたくない。

「…っ!」

なら、私にできることは1つしかない。

ガリガリッ

二人には…幸せでいてほしい…。

カタン

「ごめんね、お母さん…大気君…。」

ブチッ、ビリビリッ

「っ!!!」

ドクドク…

「……っ行かなきゃ。」

バンッ

ごめんね、みんな。

ピッピピピーーーーー

「…大変です!五十嵐さんがいません!」

「華ちゃんが!?」

「はいっ!」

「お母さんに連絡だ!」

バタバタッ

「それと…これが!」

カサッ

[遺書]

「っ!?」

バンッ

「「華っ!!!」」

シーーーン

「華…?」

「何で…っ!」

ペタペタッ

もう…気づいたよね?
逃げ出したこと…。

「はぁ、はぁ!」

ズキンッ

「…っ!?」

胸が……っ!?
息が…できない!?
苦しい…っ

「はっ、はぁ…っ」

倒れちゃダメだ…。
あそこに戻ったらダメ…。

『『華っ!!!』』

二人を…傷つけたくない…!

グッ

「っ!」

ダッ

行かなきゃ!
幸せになってほしいから…っ。
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