運命〜貴方が愛おしくて〜
私はティル(生贄)だから。
11歳になると負の感情はなくなり、
正確には隠せるようになり、
その代わり真で笑うことはなくなった。
そんなある日の夜のこと。
部屋の窓ガラスを叩く音で目が醒める。
窓ガラスを開いてバルコニーに立つと、
少年が木の上からジャンプをしてこちらに上がってきた。
「貴方は・・・」
少年「俺はセレム。なんかこの村に来たらここだけ宮殿から離れているだろう。不思議で来てみたんだ」
「セレム、此処にいてはいけない。帰って・・・」
セレム「嫌だね。俺の好きなようにするんだから」