未来の約束
だけど、それを言うなら・・・


「これは、あたしの人生。好きに生きさせてよ」

「好きに生きればいい。けど、(病気から)逃げることは認められない」


逃げてなんかない。

ただ、成り行きに任せようと思ってるだけだ。


「あの。美和の手、離してください」


いつからそこに居たのかわからないが、先ほど前を歩いていた3人がそこにいた。

花音に言われた通り、樋口は静かに腕を離す。


「・・・君」


浩太のことを見た樋口は、言葉を詰まらせる。

そして、再びあたしへと視線を戻す。


「・・・間違えたのは、あたしじゃない」

「別に間違ってるわけじゃねぇ」

「知ってたら、間違えなんて犯さなかった」


前と同じように、樋口は酷く傷付いた顔をする。

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